ドラゴンがいっぱい!―アゴールニン家の遺産相続奮闘記

ドラゴンがいっぱい!―アゴールニン家の遺産相続奮闘記あらすじ

古き良きヴィクトリア朝を思わせるドラゴンたちの国ティアマト国。厳粛であるべきボン・アゴールニン啖爵の臨終の席は、いま騒然としていた。娘婿のデヴラク士爵が、横暴にも取り決め以上にその遺骸を食べてしまったのだ!遺骸を食らうことで、子竜たちは父の力と身体の大きさを受け継ぐ。力と大きさは社会的身分に直結するため、遺族の間で大騒ぎになった。この一件がきっかけで、やがてアゴールニン家の面々は、とんでもない騒動に巻きこまれることに…。登場するのはすべてドラゴン!亡き父の遺産相続とその娘たちの恋の行方をめぐるユーモラスな狂詩曲。2004年度世界幻想文学大賞受賞作。

ドラゴンがいっぱい!―アゴールニン家の遺産相続奮闘記ヴィクトリア朝時代風?の舞台を背景にドラゴンたちが主役のファンタジー物語。ユーモラスさを感じるドラゴン達と恐ろしいドラゴンの生態との落差の描写がどこか人のようで人でないドラゴン達の生活をうまく描いていて素晴らしい。文章的には文庫版の絵のほうがイメージに合ってるけれど、ハードカバー版の絵のドラゴン達があのような生活をしていると思う方が楽しいと思う。

ドラゴンがいっぱい!―アゴールニン家の遺産相続奮闘記

アーサー・C・クラーク死去

おくやみ:作家 アーサー C. クラーク、90歳 - Engadget 日本版
個人的にはクラーク氏の作品はいまだに楽園の泉宇宙のランデヴーぐらいしか読んでいなかったのですが、それだけにクラーク氏の作品をまだまだ読み終わらないうちに無くなられた事が残念です。

いつか「魔法」に手を届かせることを願いいや誓いながら、お悔やみを申し上げます。

充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。

by アーサー・C・クラーク

ミスマルカ興国物語1

ミスマルカ興国物語 1あらすじ

人間と魔人が共存する小国ミスマルカの王子マヒロは、剣も魔法もできない遊んでばかりの放蕩王子。そのミスマルカへグランマーセナル帝国の侵略部隊が迫る! 帝国最強の部隊を目前にし、マヒロがとった行動とは!?

壊れた人の描写で一番*1の「おりがみ」「戦闘要塞マスラオ」の林トモアキの新シリーズ第一作。うん面白い。自分としては戦記ものってだけで手が出ますが、相変わらずキャラの掛け合いがいい感じ、特に王子様とバリエルが良い。王子のどこまでが素か演技か分からないキャラ描写も林トモアキ節が炸裂って感じです。今回の話はまだまだ戦争の前哨戦という感じで「ミスマルカ興国物語」シリーズこれからどれだけ大風呂敷を広げてくれるか楽しみになりそう。
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*1:といっても壊れた人が出てくるのは「おりがみ」だけじゃん、自分が勝手に今つけただけじゃん

ウェスタディアの双星 真逆の英雄登場の章

ウェスタディアの双星 真逆の英雄登場の章あらすじ

小国家ウェスタディア王国。今、この国に未曾有の危機が迫っていた。隣国のラミアム大公国の大艦隊が侵攻を始めたのだ。迎え撃つはずの自国艦隊は総指揮官もろとも戦わずして逃亡してしまう。まだ少年のあどけなさを残す書記官アルファーニは憤っていた。自らの保身に走り国を見捨てた貴族たちを。故郷を捨てることができない彼は決意をする。逃げられないなら戦うしかない!そんな時同じく取り残された境遇の兵士と出会う。かつては指揮官だったが一兵卒に降格されたという不良軍人のバドエルと。その出会いが、信じられない奇跡の始まりだった。

SF*1で戦記ものという個人的にズキズキなジャンルの新シリーズなので即買い、キャラは登場キャラが多い分個別キャラの描写が少ないので、あまり言い切れないけれど、こういう話だと居そうでいていない感じで、これからの描写しだいってのもあるけどキャラは立ちそうな感じ。戦争部分の描写も大きな戦力差をひっくり返す戦術もなかなかに考えられていて結構いい感じだった。お留守バンジーシリーズの作者の作品ということで読む前から期待していたけど、これは次巻以降も期待できそう。
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*1:といってもサイエンスフィクションではなくスペースファンタジーとかスペースオペラと言うべきものだけど

アスラクライン9 KLEIN Re-MIX

アスラクライン 9あらすじ

女子大の学生寮に潜入した智春の運命は?
鋼色の機巧魔神(アスラ・マキーナ)の秘密を聞き出すために、操緒の姉、水無神環緒に会いに行く智春たち。しかし、ようやく捜しあてた彼女の居場所は、警戒厳重な女子大の学生寮だった。男子禁制の女子寮内部に潜入するため、智春が選んだ作戦とは!?
宝探し、ファミレスでのアルバイト、ストーカー対策などなど幽霊憑きの不幸少年、夏目智春と仲間たちの暴走気味の日常を描く大人気スクールパンク。智春が新たな特技(?)も身につけて、サービス増量の第九弾!
特別収録、スペシャル番外編もついてます。

アスラクラインシリーズの新作の9巻、個人的に結構好きな三雲岳斗さんのは好きなんだけれど、シリアスかギャクかのどっちかによってしまいがちなほかのシリーズものと違い、このシリーズはギャグとシリアスのバランスがなかなかいい感じでいい。特にだんだんSFちっくな設定が前面に出てき始めてていて次の巻に期待を持たしてくれるのがすばらしい。展開が個人的な予想とは結構違いそうだけれど
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ガンパレードマーチ山口防衛戦

4840237786ガンパレード・マーチ山口防衛戦                 
榊 涼介
メディアワークス 2007-03
ASIN:4840237786

決死の攻防の末、二百万人を超える犠牲者を出しながらも、守りきれずに九州は幻獣の手に落ちた。その後の自然休戦期間に軍備の建て直しを図るはずの自衛軍は、九州陥落の責任を各軍がなすり合うといった無意味な閣議に明け暮れた。そのため、撤退戦での戦いぶりで今や伝説となった5121小隊も待機状態に置かれ、それぞれが不本意な日々を送っていた。しかし、突如休戦期を無視して幻獣が本土・山口を急襲する。数十万を数える圧倒的な数で押し寄せる幻獣たち。その戦略は、ユーラシア大陸を陥れた過去の悪夢に酷似していた…。SCE&芝村氏の監修の元、ゲームでは語られなかった5121小隊の新たな伝説が、ついに幕を開ける。

ということで、オケ3部作でもう終わったのかなと思っていたガンパレの最新刊がついに出ました。お話的にはガンパレの撤退戦から既刊のガンオケの間のお話になるようです。
自分的には撤退戦並みに面白かったです。平穏な日々から幻獣の奇襲攻撃により急激に悪化する戦況、この切り替えがうまく絶望感の演出に役立っていました。次巻以降は山口で悪戦苦闘する5121小隊とオリキャラが活躍?する岩国戦線という形になるんでしょうね。九州撤退戦よりもはるかに絶望的な戦況かつ双方の主力がガチンコで対決するであろう次巻で5121小隊はどう活躍するのか楽しみです。